政府の「全世代型社会保障構築会議」が17日に「中間整理」をまとめた。今後の改革の方向性を描いている。【Joint編集部】
子どもからお年寄りまで全ての世代を偏りなく支えていく − 。これが「全世代型社会保障」の目指すところだ。
政府は中間報告に、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっているこれまでの構造を見直す」と明記。子ども・子育て支援の拡充や勤労者皆保険の実現、女性の就労の制約となる制度の是正などを盛り込み、「能力に応じて皆が支え合うことを基本としつつ、それぞれの人生のステージに応じて必要な保障をバランスよく確保する」との考えを打ち出した。
その一環として、「家庭における介護の負担軽減」も掲げている。
「単身・夫婦のみの高齢者世帯が増え、家族の介護力の低下が予想される」「男女ともに介護離職を防ぐための対応が必要」などと指摘。介護サービスの基盤整備を着実に進めること、介護予防の取り組みを強化することなどに努めるとした。
政府は今回、膨張を続ける給付費を抑制していくための施策に踏み込むことを避けたが、介護サービス提供体制の改革には言及している。
「今後の更なる高齢化と人材不足などを踏まえると必須」と説明。サービスの質の向上や人材配置の効率化、働き方改革などを具体化する観点から、ICTの活用やタスクシェア・タスクシフティング、経営の大規模化・協働化などを進める方針を示した。サービスの質の向上に向けては併せて、医療・介護データの総合的な活用、社会保障全体のDXにも注力する構えをみせた。
岸田文雄首相は会合で、「子育て・若者世代を始め、自らの望むライフスタイルを実現しながら活躍できる社会を構築していく」と説明。「足元の課題からスピード感を持って取り組んでいくとともに、中長期的な課題も具体的な改革事項を工程化していく。今後、国民的な議論を進めながら政策の具体化を進めていく」と述べた。
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